市川猿之助*九月大歌舞伎
通し狂言 『義経千本桜』

(松竹座・2000年9月1日初日 昼の部・夜の部)

昼の部(3階・2列目センターでの観劇)
序幕   伏見稲荷鳥居前の場
二幕目 渡海屋の場
      同奥座敷の場
      大物浦の場
三幕目 道行初音旅

夜の部(1階・2列目センターでの観劇)
四幕目 下市村椎の木の場
      同竹藪小金吾討死の場
五幕目 下市村釣瓶鮨屋の場
大詰   川連法眼館の場
 今回のこの演目は、全てが初めて観る舞台でした。猿之助さんはすごい人だ!!!と今更ながら思い知らされた?一日でした。
 あまりにも長い通し狂言!たった一度だけの観劇で、見逃したりしてる部分もあるし、分からない部分もありました。でも、今、筋書きを読み直すと、とてもわかりやすく説明してあって・・・・舞台を思い出しながら、私の思ったことを書きます。(ダラダラと長くなりそうなので箇条書きに・・・)

 昼の部
 <渡海屋の場>で、猿之助さんの渡海屋主人・銀平に、横暴を懲らしめられ、刀を捻曲げられた相模五郎(右近さん)と入江丹蔵(猿弥さん)の「魚づくし」のセリフが、あまりにも面白かった。セリフに次々と魚の名前が入っているのです。歌舞伎にこんな面白いセリフがあるとは知らなかったので大いに笑えました。覚えているのは「では”さより”なら」(さようなら)だけですが・・・σ(^◇^;)。
もう一度じっくり聞いてみたいですぅ〜。

 <大物浦の場>では、知盛役の猿之助さんが、碇綱を体に結び海中に投げ込んだ大碇に引きずられ、大岩の上から海へ背中からダイビングするのです。3階から見ていたので、裏方さんが大勢でシート?の様なものを持って待機しているのは見えましたが、すごく勇気がいる場面ですよねぇ〜。見ててもドキドキでした。くれぐれもケガがありませんように・・・・・(^∧^)。

 <道行初音旅>・・・・・実は実は、ここでは一番印象に残ったのは、最後の最後!猿之助さんの忠信が、狐六方を踏んで花道を入るシーンです。これを見て私はちょっとゾクゾクしました。猿之助さんの「狐」!テレビの紹介で、少しは目にしたことがありますが、あぁこれだぁぁぁ\(^_^)/っていう感じで、もはやここで感動しちゃいました。
他に・・・・浄瑠璃&三味線の方も気になって、双眼鏡で観察しました。あぁ・・・若い人もいるわねぇ・・・とかσ(^^)。
熱演?熱唱????されている浄瑠璃も結構気に入ってます。

 夜の部
 <下市村椎の木の場>で、やっと登場の若葉の内侍!市川笑也さん\(^^@)/。あぁ・・・待ってました(^_^)v 幕開けからすぐに花道から登場され、お子さま(六代君)の手を引いての登場!最近、母役もすっかり板に付いてる笑也さん!セリフは少ないけれど、子役を気づかう仕草がとても自然で、とてもいい味出していらっしゃいました〜(*^_^*)。
 そして、すぐに登場のいがみの権太(猿之助さん)。ちょっと意地悪する役柄なんですが、猿之助さんってこういう役がすーーーーっごくお上手だなぁ〜〜〜といつも思います。カッコイイ役より、ちょっと小汚い格好をした、悪役の猿之助さんが好きだなぁ〜。ここでも、笑いの連続でした。

 <小金吾討死の場>
 ここは、小金吾役の、門之助さんの見せ場!! 大勢の黒四天とのドンタッポでの立ち廻りは、丁寧に演じられて、とても優雅に感じました。何度も何度も敵を倒して・・・・そして命を落とすのですが、近くで見ていたので、門之助さんの息があがっているのがよくわかりました。  ここで、ふと思ったのは・・・・・実は当初この小金吾役は、笑也さんに決まっていた・・・という話を耳にしました。笑也さんの立ち役は、未だに生の舞台では見たことが無いですし、こんな小金吾のような立ち廻りメイン?の役を演じていらしゃる笑也さんを想像できませーーーーん。色んな役柄に挑戦される笑也さんを見たいので、是非次は笑也さんで!!!!(~v~)。

 <下市村釣瓶鮨屋の場>
 ここで登場の亀治郎さんのお里(鮨屋の娘)!!私の席の後ろから「かわいいなぁ〜、綺麗やなぁ〜」ってヒソヒソ声が聞こえてきました。ホント!可愛らしい娘でした。亀治郎さんの女形は、今年の1月に「絶間姫」で見ましたが、その時は遠くからの観劇だったので
よくわかりませんでしたが、近くで見るとお肌もスベスベで・・・・ホントに可愛いっ(~~)。このお里ちゃんは、仕草もセリフも可愛らしくて、亀治郎さんにピッタリでした。
ここでも・・・・・私の脳裏には笑也さんが登場!笑也さんのこんな若いときの娘役!!!ナマで見られなかったのが非常に残念(O.;)。でも、まだまだ娘でも姫でも似合うステキな笑也さん!(*^_^*)。

 <川連法眼館の場>
 (!o!)オオ! ついにこの時が来ました。猿之助さんの狐忠信!!!すごいパワーです。まず、階段の打返し(階段が裏返って登場)!・欄間抜け・高欄渡り・そして宙乗り\(^^@)/・・・・さすがに、1階の前からでは宙乗りの表情などはあまり見ることが出来なかったのですが、猿之助さんの汗がポタポタと降って落ちてくるのは、ハッキリと見えました・・・・。
あんなに、激しく素早く動き回って、絶対息が荒く?なってしまうと思うのに、そんなことは微塵も感じさせず、狐の嬉しそうな表情がすごく可愛らしかった〜。猿之助さんは、本当ににカッコイイ!! あの迫力に圧倒されっぱなしでした。スゴイ人だぁぁぁぁぁ・・・・・。

午前11時〜始まり、午後21時に終演。休憩は何度もあるものの、松竹座で10時間過ごしたのは初めてのことでした。前日の睡眠時間は3時間半!・・・・・自分の意志に反して、どうしても眠くなってしまった時もありましたが、全然たいくつに感じる時は無く、最初から最後まで目を離せない舞台でした。
 一度しか観劇できないので、すごく悲し過ぎます(;>_<;)ビェェン。


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