スーパー歌舞伎『新・三国志』観劇記 
 1999年9月8日/昼の部

 きっと眠くなるだろう・・・と思い、前日にお昼寝までして、睡眠を充分にとって行った初めての<松竹座>。
座席は「2階・右列9番」。
幕が上がるや否や私は「えぇっ!?これは一体・・・?」という感じでした。いきなりたくさんの人が走って出てきて、バック転なんかを連続でするんです。ドキドキでした。その最初の場面からもう引きこまれていたのですが、次々と知らない人が登場してどの人が主役なのかもよくわからない状態でした。そんな中、私の目をくぎ付けにする劉備がいました。オペラグラスで眺めても美しい!声もステキ!!で、それが誰なのか知りたくて幕間に「番附」を購入してきました。
登場人物の中には本当に女性??と思ってしまうほどの人もいるし、衣装は色とりどりで美しく、ストーリーも『三国志』を知らない私にもわかりやすく作ってあり、午前11:00〜午後3:30という長〜い時間があっという間に終わってしましました。
演出のすごさには驚きました。あの狭い舞台上で船が回転しながら沈んでいったり、本水を使って雨を降らせたり、舞台から3階の客席に向かっての猿之助さんと笑也さん2人で宙乗り・・・何もかもが私の目には新鮮でした。
途中、感動でウルウル・・・とするところもいっぱいありましたが、初観劇の私は「歌舞伎で泣いてもいいのかしら?」なんて、変な先入観があって、必死でこらえました(T_T)。
松竹座の右列の席は舞台に向かって横向きだし、いまいちかと思っていましたが、始まってみると花道からの登場も多いので端から端まで花道が見渡せるし、なかなか良い席だった。
 『新・三国志』&笑也さんが気になって、家に帰ってから「市川笑也」でインターネット検索したら、ファンの方が作られているHP発見!読んでいると、私と同じような人がたくさんいらっしゃって、益々興味深くなってきました。そうすると2日後の10日が10月からの公演のチケット発売開始日!!!これはもう行くしかないな〜と思い、電話予約したのです。自分でチケットを取ったなんて初めてのことです。
 家に帰って、番附を見ながら、思い起こせば思い起こすほど、感動がよみがえってきました。ああ〜こんな楽しい物が世の中にあったなんて・・・今まで気が付かなかったわ・・・という感じに。



スーパー歌舞伎『新・三国志』観劇記  
1999年10月4日/昼の部

 この日は自分の両親と3人での観劇!HPでの皆さんの感想を読んで、1回目の観劇ではそんなシーンあったかな?と見逃しているところもたくさんあったので、そこを注意深く見るようにして、2回目の観劇スタート。座席は2階・6列20番。
 私が両親を誘ったので、楽しんでもらえるかちょっと心配だったけど、そんな心配も無用だった。父は一生懸命オペラグラスを覗き込んでいて「歌舞伎は女性も出るのか?」なんて、1回目の私みたいなこと言ってるし、私のお薦めの笑也さんも綺麗だと感心していました。「さすがに女形だけあって、なで肩やな〜」なんて、私より鋭い観察力でした。
今回は、2度目なので少しは心に余裕があり、内容も一層よく理解できたし、主役のみならず、周りのその他大勢の役者さんも観察できた。
 今日の席は、位置的にはど真ん中で良かったけど、2階席の後ろの方なので、花道がほとんど見えないのがとっても残念でした。宙乗りは近くに来たので、ドキドキしました。幕が下りてからも暫く席でボ〜っと余韻に浸っていました。

スーパー歌舞伎『新・三国志』観劇記
1999年10月18日
/昼の部


この日の観劇はちょっとアクシデントがあった。広島にいる知り合いのご夫妻と3人で観劇の予定だったのに、奥さまが急病で入院されたため、急遽、友人とその妹さんとの観劇になった。座席はまたまた2階・7列26番。
3度目ともなると飽きるか・・・と思うところだが、全くそんなこともなく、夢中で舞台に見入ってしまった。オペラグラスでじっくりと観察するのは主に劉備さまばっかりですが・・・。雨の中で戦う亀治郎さんも日ごとにパワーアップしていくみたいだし、「おもだかや」とかかる大向こうさんにも馴染んできた。余裕で観劇できるのは、千秋楽に来れることが決まったからかも・・・。
 友人も笑也さんをたいそう気に入った様子で、今では私よりファンになっているかも。


 スーパー歌舞伎『新・三国志』観劇記  
1999年10月26日/夜の部・千秋楽!!

 この日・千秋楽、しかも夜の部1階・2列24番!!!こんなに良い席が手に入ったのは、関東に在住の友人が来られなくなり、譲ってくださったから・・・。本当に感謝感謝です。3回目の観劇と同じ友人と2人での観劇。
 初めての1階席で、前から2列目、舞台には手が届きそうな場所です。開演前からもうドキドキでした。
幕が上がり、役者さんたちもいつもにも増して、熱演されていることがよくわかります。目の前で見る「黄巾の乱」は迫力満点!
関羽(猿之助さん)・張飛(猿弥さん)・・・に続き、劉備(笑也さん)の登場!!夢のようでした・・・。劉備の立ち位置が右手側が多かったので、劉備にばかり目が行ってしまう部分もありましたが、でも、遠くの席からでは分からなかった脇役さんたちの細かい動きや表情もよくわかり、やはり近くで見るのもいいなぁ〜と思った。驚いたのは、白塗りの役者さんが手をたたくと粉が飛び散っているのまでよく見えること。それに舞台は案外ほこりっぽく、スモーク?をたいているときは空気が悪かった(>_<)。
 今回一番泣いたのは、関羽(猿之助さん)が好きな人の名前をいうシーン!もう涙が止まりませんでした。それから間平(亀治郎さん)の本水での立ち回りでは、下に溜まった水までかき出してくださり、花道でも大サービス!!拍手喝采が鳴りやまず、次のセリフも言えないような状態でした。終盤になるにしたがって、私の心の中には「あぁ〜これで終わりなんだ・・・」という寂しさがこみ上げてきました。ずぅ〜っと続いて欲しい・・・。
 毎回あった最後のカーテンコールの後、最後なので再び幕が上がり、役者さんが横一列に並んで手をつないでの登場!!
客席もスタンディングオベイションです。猿之助さんが、端からひとりひとり紹介され、皆さんが頭を下げられるのですが、笑三郎さんが会場に向かって”投げKiss”をされて大喜び(^-^)続いて猿弥さん・亀治郎さんも・・・と”投げKiss”の嵐でした。
笑也さんはされませんでしたが・・・。そして、笑也さんは劉備を演じていらっしゃるときは実に堂々とされているのに、カーテンコールでは、別人のように控えめ?な感じで、可愛らしく一層惹かれるものがありました。
帰りには「『新・三国志』2000年6月再演決定」のちらしももらって大喜び!(^^)!
合計4回の観劇。同じ物を4回も見る・・・なんて今までは考えたこともなかったし、しかも歌舞伎!!でも、何度も見て正解でした。見るごとに内容の深い部分が見える気がするし、何度見ても感動できる。
次は、古典歌舞伎も挑戦してみようと思いました。


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