『通し狂言・伽羅先代萩 二幕』
(市川猿之助 歌舞伎公演)観劇記

1999年11月14日 吹田文化会館/昼の部・夜の部


  今回が古典歌舞伎の初観劇!チケットは夜の部だけ購入していましたが、結局当日券で昼の部も買い、昼・夜続けて2回の観劇となりました。昼と夜では配役が若干異なるため、どちらも見たかったから・・・。
  まず、昼の部は2階け列43番。2階には空席がちらほらありましたが、1階はほぼ満席で、幕があがりました。初めはちょっと理解できるか不安で心に余裕が無かった。やはり、言葉が少し何を言っているのか分からない部分もあり、とまどいましたが、あらすじを読んでいたので、なんとかついて行けたと思います。
 一番楽しみにしていた政岡の登場。昼の部は笑三郎さんの政岡。乳人の政岡は自分の子を目前で殺されても涙を堪え、若君を守り通す。そしてひとり残された後、悲しみが一気に込み上げ母に戻り我が子の死を嘆くのは悲しい場面でした。三味線と浄瑠璃(?というのか、実は詳しく知らないのですが・・・)も、すごい迫力で初めてなので、私はちょっと目が点になりました・・・。笑三郎さんは若いのに貫禄がある役がとっても似合っていらっしゃった。「えみさぶろうっ!」という大向こうもバンバンかかって”おおっ!これぞ歌舞伎だ〜”とちょっと感動(^^;)
右近さん演じる八汐もすごく意地悪そうな形相で、上手かった〜。猿之助さんの細川勝元の出番は最後の方まで無かったが、猿之助さんが登場されると舞台が引き締まり、客席の反応もやはりすごい!!
  約3時間の公演もすぐに終わってしまった。

  夜の部は1階う列7番・・・これは前から3列目の左端。チケット購入した時には最前列も端の方なら空いてたのだが、初めてだしちょっと遠慮しちゃって3列目を買いました。
  左端は花道のすぐ横なので、花道から登場される役者さんに手が届きそうな距離でした。やはり1度目より2度目の方が、ほんの少しでも多く理解出来たように思う。待望の笑也さんの「政岡」。女形の笑也さんをナマで見るのは初めて。乳人なので、お姫様のような可愛らしい姿では無いけど・・・・・。非常に寂しかったのは多分日曜日の夜ということもあってか、空席が多かった。1階でも3分の1くらいしか入って無かったように思いました。なので「えみや〜!」という大向こうも少なかった・・・。でもでも、笑也さんはと〜〜っても熱演されていて、汗がポタポタと流れるのまでしっかり見えました。何だかお芝居の内容はもちろんのことですが、笑也さんの熱演ぶりにも感動してしまいました。実際にお子さんがいらっしゃる笑也さんは、子供を抱える仕草も板について自然に優しい母親になっていたように思います。1階席では三味線&浄瑠璃の方も近くで見られたため、一層迫力満点で、政岡との息もピッタリという感じでした。
 スーパー歌舞伎とは全然違う笑也さんの魅力に益々取り憑かれました。
そして、古典歌舞伎もなかなか心地よい雰囲気で、これからも澤瀉屋の舞台には出来る限り足を運びたいなぁ〜と思いました。

しかし・・・古典歌舞伎はやはりちょっと難しいのかな〜??

  
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